犬の足を引きずる――その症状、放置しないで!
愛犬が足を引きずる原因にはさまざまなものがあります。
“少し様子を見れば治るかも” と思いがちですが、神経や骨・関節に深刻なトラブルが潜んでいるケースも少なくありません。
ここでは、岡崎市周辺で犬と暮らす飼い主様向けに、足を引きずる症状の主な原因から診断・治療の流れ、家庭でのケアまでをわかりやすく解説します。
目次
1. 足を引きずる代表的な原因
犬が脚を浮かせたり、地面を擦るように歩くとき、体のどこかで「痛み」あるいは「しびれ」が起きています。
✔ 外傷・捻挫
散歩中の転倒や段差の踏み外しで突然発症します。
肉球が切れている場合もあります。
✔ 膝蓋骨脱臼(ひざのお皿が外れる)
小型犬に多く、ケンケンした直後に普通に歩き出すのが特徴です。
✔ 椎間板ヘルニア
胴長犬に多く、背中を丸める、抱き上げで悲鳴を上げるなどのサインを伴います。
✔ 加齢による関節のすり減り(変形性関節症)
シニア犬や体重オーバーの犬で、寒い朝に強く出る傾向があります。
✔ 感染や炎症
発熱、関節の腫れ、食欲不振が同時に見られることが少なくありません。
痛みの強さ・出方・脚の左右差などをスマホにメモしておくと、後の診察がスムーズになります。
2. 動物病院での診察の流れ
■ 歩様観察
院内で、歩様の異常がないかを確認します。
これにより、病変部位のおおよその当たりをつけていきます。
ご自宅での歩いている様子を撮影した動画があると、診察時の参考になります。
■ 触診・可動域チェック
腫れ、熱感、痛みのポイントを確認し、関節や骨のどこに問題があるかどうかを実際に触って確かめます。
■ 画像検査
➡ レントゲン
最も一般的な画像検査です。
骨折、脱臼、骨の変形を幅広く確認することができます。
➡ 超音波
靭帯や腱の断裂、関節液の貯留を超音波検査によって観察することがあります。
➡ CT / MRI
椎間板ヘルニアや骨の細かいひびまで詳細に描出したり、腫瘍疾患を鑑別したりすることができますが、全身麻酔が必要な検査となります。
■ 血液・関節液検査
白血球数やCRP値で炎症の強さを確認します。
場合によって、関節液を採取して細菌培養を行い感染の有無を確認したり、免疫介在性の疾患の有無を確定します。
これらを組み合わせ、最も可能性の高い疾患を特定します。
診断までにかかる時間は症例によって異なりますが、多くは来院当日に大まかな方向性が示されます。
3. 代表的な病気別の治療と予後
| 病気 | 内科治療 | 外科治療 | 回復のめやす |
|---|---|---|---|
| 軽い捻挫・打撲 | 消炎鎮痛薬、短期安静 | ― | 1〜2週間 |
| 膝蓋骨脱臼(軽度) | 体重管理、一時的な安静 | 重度は整復手術 | 数週間で改善 |
| 椎間板ヘルニア(軽度) | 消炎薬+ビタミン剤 | 麻痺進行で手術 | 3週間もしくは手術後1〜2か月 |
| 変形性関節症 | 痛み止め、関節サプリ | 不安定がある場合は関節固定等 | 痛みコントロールで長期維持 |
| 感染性関節炎 | 抗生剤 | ― | 早期なら良好 |
※ 手術が必要かどうかは痛みの程度、歩行機能、年齢、持病を総合評価して決定します。
4. 家でできる応急処置と環境づくり
■ 滑り止めマット
滑る床は足腰に負荷をかける可能性があります。
どのような病気であれ、床を滑りづらい環境にすることは、症状の改善や病気の発生の防止に有効です。
■ ハーネス
首輪は、特に頸部のヘルニアや関節炎に対して負担をかける可能性があります。
特に勢いよく引っ張ることによって、負荷がかかってしまい、それをきっかけに症状が悪化することがあります。
ハーネスは首に負荷がかかりづらいためおすすめです。
■ 水やフードの台を高めに
適切な高さにすることで、首を上下運動させることによる体幹への負荷が減ります。
⚠ NG行動
縦抱きの抱っこは、腰に負荷をかけるため、必ず横抱きをするようにしましょう。
その他、高い段差は関節炎の悪化や外傷の発生の原因になるため、注意が必要です。
5. リハビリテーションの基本
痛みが落ち着いたらリハビリを開始します。
■ 関節運動
関節をゆっくり曲げ伸ばしして可動域を維持。
■ 立位保持
起立が難しい場合は、タオルや手で立位を保持して、筋力を刺激します。
■ 水中トレッドミル
水の浮力で関節負荷を軽減しながら歩行練習をする場合があります。
■ 歩行トレーニング
筋肉量を回復、維持するために適切な運動を行います。
リハ中は呼吸数や舌の色を観察し、「苦しそう」「足を挙げ始めた」「引きずる症状が増えた」といったサインがあればすぐ休憩します。
6. よくある質問
Q. 数日で症状が消えたが、もう受診しなくてもいい?
A. 一時的に痛みが治まっても、骨や靭帯に小さな損傷が隠れている場合があります。
再発予防のためにも、一度検査を受けることをおすすめします。
Q. シニア犬は手術に耐えられる?
A. 年齢だけで手術をあきらめる必要はありません。
心臓・腎臓・肝臓の機能を事前にチェックし、安全な麻酔計画を立てれば高齢犬でも回復例は多数あります。
Q. 関節サプリは本当に効く?
A. 実際の使用体感として、症状の改善効果を認めたというお声をいただくことは多くあります。
ただし「薬ではない」ため、食事管理や運動療法と組み合わせて使うことが重要です。
7. まとめ
足を引きずる=体からのSOS。
原因は外傷から神経疾患まで幅広く、早期診断が回復の鍵。
動物病院では、必要に応じて歩様観察・触診・画像検査・血液検査を組み合わせ原因を特定。
治療は痛み止めや手術に加え、リハビリと家庭環境の見直しが欠かせません。
ぶんペットクリニックはさまざまな病気に対応しており、整形疾患や神経疾患の診断や治療を通して飼い主と愛犬をサポートします。
違和感を覚えたら早めにご相談ください。
ぶんペットクリニック
愛知県岡崎市上和田町森崎45
当院は、岡崎市にある動物病院で、予防診療からセカンドオピニオンまで広く対応しております。
適切な診断と治療、丁寧なインフォームドコンセントを重要視して日々診療しております。
岡崎市周辺の方で、犬猫の血液検査でお困りの際は、ぜひ当動物病院にご相談ください。
