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犬と猫の肺水腫とは|症状・原因・治療法を解説

🐶🐱 犬と猫の肺水腫 ― 呼吸が苦しそうなときはすぐに病院へ

 

 

 

1. 肺水腫とは?

肺水腫(はいすいしゅ)とは、肺の中に水(液体)がたまってしまう病気です。

肺はスポンジのように小さな袋(肺胞)が集まってできており、この肺胞の中に液体がたまると酸素を取り込むことができなくなります。

その結果、体全体が酸素不足に陥り、呼吸困難や命の危険を招くことがあります。

 

 

2. 肺水腫の原因

犬や猫の肺水腫には大きく分けて心原性非心原性の2つのタイプがあります。

 

2-1. 心原性肺水腫

心臓の病気が原因で肺に水がたまるタイプです。

- 僧帽弁閉鎖不全症(小型犬に多い)

- 拡張型心筋症(大型犬や一部の猫に多い)

- 肥大型心筋症(猫に多い)

心臓が弱って血液を十分に送り出せなくなると、肺の血管内圧が上がり、水分が血管から肺胞へ染み出してしまいます。

 

2-2. 非心原性肺水腫

心臓以外の原因で肺に水がたまるタイプです。

- 溺水(水や液体を吸い込んだ場合)

- 誤嚥(吐いた物や食べ物が気道に入った場合)

- 中毒(電撃ショック、煙、薬物など)

- 重度の炎症や感染(肺炎、全身性炎症反応症候群)

- 外傷や神経疾患(頭部外傷、痙攣後など)

 

 

3. 発症のメカニズム

肺水腫は大きく2つのメカニズムで発症します。

① 肺毛細血管圧の上昇(主に心原性)

- 血管内の圧力が高くなり、水分が血管の外へ押し出され、肺胞にたまります。

② 血管の透過性の亢進(主に非心原性)

- 炎症や損傷により血管の壁がゆるくなり、水分が漏れやすくなります。

どちらも肺胞内に液体がたまるため、酸素の取り込みが著しく低下します。

 

 

4. 好発年齢・犬種・猫種

小型犬(チワワ、マルチーズ、キャバリアなど)

- 僧帽弁閉鎖不全症による心原性肺水腫が多い

大型犬(ドーベルマンなど)

- 拡張型心筋症による肺水腫が多い

猫(特に中高齢)

- 肥大型心筋症による肺水腫が多い

■ 年齢は中高齢〜老齢での発症が多いが、事故や中毒などによる非心原性は若齢でも発症します

 

 

5. 主な症状

肺水腫は急速に進行することがあり、症状が出たら緊急対応が必要です。

症状 特徴
呼吸困難

呼吸が早く浅くなる

口を開けて呼吸する(特に猫では危険サイン)

湿った咳

泡状の唾液やピンク色の痰を伴うことも

元気消失・動きたがらない 少しの動きでも息切れ
チアノーゼ 舌や歯ぐきが紫色になる
失神 酸素不足が強くなると失神することも

 

 

6. 診断方法

動物病院では以下のような検査を行います。

聴診

- 肺の雑音や心雑音を確認

レントゲン

- 肺が白くぼやけている部分(水がたまっている部分)を確認

心エコー

- 心臓の動きや弁の異常をチェック

血液検査・血液ガス分析

- 酸素不足や炎症の有無を確認

酸素飽和度(SpO₂)測定

- 血液中の酸素量を測定

 

 

7. 治療方法

肺水腫は時間との勝負です。

 

7-1. 酸素療法

酸素室や酸素マスクを使い、血中酸素濃度を上げます。

 

7-2. 利尿薬

フロセミドなどを投与し、体から余分な水分を排出させます。

 

7-3. 心不全治療

心原性の場合、ACE阻害薬や血管拡張薬、強心薬(ピモベンダンなど)を併用して心臓の負担を減らします。

 

7-4. 非心原性の場合

原因の除去が最優先(中毒物の除去、感染症の治療、誤嚥防止など)。

同時に酸素療法や利尿薬も行うことがあります。

 

 

8. 予後と再発

心原性肺水腫は再発することが多く、心臓病の進行とともに発症頻度が上がります。

内服薬での長期管理が必要。

非心原性肺水腫は原因が解決すれば再発は少ないが、重度の場合は後遺症が残ることもあります。

高齢や重度心疾患では予後が厳しいことがあります。

 

 

9. 飼い主さんができること

呼吸が早い、苦しそう、咳が続く場合はすぐに受診

心臓病の診断を受けている場合は、薬の飲み忘れを防ぐ

誤嚥や中毒の予防(危険物をペットの手の届かない場所に)

定期健診で心臓や呼吸器のチェック

 

 

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