飼い主さんへ:犬の 「免疫介在性多発性関節炎(IMPA)」を知っていますか?
目次
1. IMPAとは?
免疫介在性多発性関節炎(IMPA) は、犬の免疫システムが誤って自分の関節を攻撃し、複数の関節が同時に炎症を起こす病気です。
感染が原因の関節炎とは異なり、細菌やウイルスはいません。
そのため抗生物質では治らず、免疫を調整する治療が必要になります。
2. どうして起こるの?
体内でつくられた “免疫複合体” が関節に沈着 → 炎症を誘発。
誘因 として
- 慢性的な感染(皮膚・耳・尿路など)
- 腸炎や肝炎などの基礎疾患
- ワクチンや薬剤、まれに腫瘍
が関与する場合もあります。
ミニチュアダックスフンドやウェルシュコーギー、トイプードルにやや多いですが、どんな犬種・年齢でも発症し得ます。
3. 飼い主さんが気づくサイン
| 観察ポイント | 具体的な様子 |
|---|---|
| 歩き方 |
・ぎこちない歩行 ・足をかばう ・立ち上がりを嫌がる |
| 元気・食欲 |
・なんとなく元気がない ・食欲低下 |
| 発熱 |
・体が熱い ・呼吸が速い(体温計で39°C以上) |
| 関節の腫れ |
・手首や足首がむくんでいる ・触ると痛がる |
📝 早期発見のコツ
「最近散歩を短めに切り上げる」「ソファに飛び乗らなくなった」など、ささいな行動変化がヒントになります。
4. 動物病院で行う検査
1. 身体検査
- 痛み・腫れのある関節を確認
2. 血液検査
- 炎症マーカーや他の病気の有無をチェック
3. 関節液検査
- 関節から少量の液体を採取し、細菌の有無や炎症細胞を確認(確定診断に不可欠)
4. 画像検査
- レントゲンや超音波で骨の破壊や腫瘍を調べる
5. 治療の流れ
| 段階 | 目的 | 主な内容 |
|---|---|---|
| ① 急性期コントロール | 炎症と痛みを抑える | ステロイド(プレドニゾロン等)の全身投与 |
| ② 維持・再発予防 | 副作用を抑えつつ免疫を調整 | ステロイドの量を段階的に減らし、必要に応じてアザチオプリン・シクロスポリンなどを併用 |
| ③ 基礎疾患対策 | 二次性IMPAの場合 | 感染巣の治療、腸炎・腫瘍などへのアプローチ |
| ④ 生活管理 | 関節への負担軽減 | 体重管理・安静、リハビリ運動・サプリメント |
💡 治療中のポイント
- 薬は自己判断で中止・減量しない
- 副作用(多飲多尿、食欲増進、下痢・嘔吐など)は早めに獣医師へ
6. おうちでできるケア
体重コントロール
- 理想体重を維持すると関節負担が激減
滑らかな床を避ける
- カーペットや滑り止めマットを敷く
段差対策
- 抱っこで昇降、ステップを設置
リハビリ運動
- 獣医師の指示で水浴び運動やストレッチを少しずつ
定期チェック
- 関節の腫れや元気度を日記アプリやカレンダーにメモ
7. 予後は?
多くの犬は治療開始数日〜数週で歩行が改善します。
再発しやすい病気なので、薬量調整中や中止後1年以内が特に要注意。
びらん性タイプ(関節破壊型)は慢性疼痛や変形が残りやすいため、長期管理が必要です。
8. よくある質問(Q&A)
| Q | A |
|---|---|
| 完治しますか? | 特発性タイプでは薬を中止しても再発しないケースがありますが、多くは寛解維持(薬で症状ゼロを保つ)を目指します。 |
| ステロイドは副作用が心配… | 高用量→徐々に減量し、必要なら別の免疫抑制剤でステロイド量を最小限に抑えます。副作用が現れた場合はすぐ獣医師に相談を。 |
| 散歩はいつ再開できますか? | 痛みが落ち着くまでは短時間+平地のみ。獣医師と相談しながら距離や運動強度を段階的に増やします。 |
9. まとめ
IMPAは早期発見と継続治療が鍵。
「歩き方がおかしい」「原因不明の発熱」が続くときはすぐ受診を。
治療・生活管理を組み合わせれば、多くの犬が快適な生活を取り戻せます。
飼い主さんと動物病院が同じゴール(痛みのない生活)を共有し、一緒にモニタリングしていくことが成功の秘訣です🐶✨
もし気になる症状があれば、早めにかかり
ぶんペットクリニックは、整形外科診療にも対応しています。
さまざまな診療項目に対応し、笑顔あふれる動物病院をモットーに診療しています。
岡崎市周辺の方で、犬の多発性関節炎(IMPA)でお困りの際は、ぜひ当動物病院にご相談ください。
