犬猫の心膜横隔膜ヘルニアとは?無症状でも見つかる先天性疾患|症状と治療を岡崎の動物病院が解説
目次
1. はじめに
健康診断やレントゲン検査で、
✔ 心臓の形がおかしい
✔ 胸に臓器が入っているかもしれない
と言われ、心膜横隔膜ヘルニア(しんまくおうかくまくヘルニア)
という病気が見つかることがあります。
名前が難しく、不安になる飼い主様も多いですが、
無症状で経過するケースもある一方、症状が出る場合は注意が必要な疾患です。
この記事では、心膜横隔膜ヘルニアの原因・症状・診断・治療の考え方について解説します。
2. 心膜横隔膜ヘルニアとは
心膜横隔膜ヘルニア(PPDH)は、生まれつき横隔膜と心膜に隙間がある状態です。
■ 通常
✔ 胸
✔ お腹
は横隔膜によって分かれています。
しかしPPDHでは、お腹の臓器(肝臓・腸など)が胸側へ入り込むことがあります。
■ 特徴
✔ 先天性疾患
✔ 犬猫どちらでも発生
✔ 猫で比較的多い印象
👉 若齢で見つかることもあれば、成犬・成猫になって偶然見つかることもあります。
3. どんな臓器が入り込む?
■ 代表的
✔ 肝臓
✔ 胆嚢
✔ 脂肪
✔ 腸管
👉 特に肝臓が入り込んでいるケースは比較的多いです。
4. 症状
実は、無症状のまま見つかるケースも少なくありません。
■ 症状がないケース
✔ 健康診断で偶然発見
✔ レントゲン異常で発見
■ 症状が出る場合
✔ 呼吸が速い
✔ 運動を嫌がる
✔ 食欲低下
✔ 嘔吐
■ 重症例
✔ 呼吸困難
✔ 消化器症状
✔ 胆嚢や腸管の障害
👉 入り込む臓器や程度によって症状は変わります。
【なぜ無症状なのに問題になる?】
■ 理由
最初は問題なくても、年齢とともに症状が出てくることがあるためです。
特に、
✔ 臓器圧迫
✔ 胆汁うっ滞
✔ 呼吸への影響
などが問題になることがあります。
5. 診断
【最も重要なのは画像検査です。】
■ 検査
✔ レントゲン
✔ 超音波検査(エコー)
✔ CT検査(必要時)
■ レントゲンでの特徴
✔ 心陰影拡大様
✔ 心臓の輪郭異常
👉 「心臓病っぽく見える」こともあります。
■ エコーで重要なこと
✔ 何の臓器が入っているか
✔ 胆嚢や肝臓の状態
✔ 心臓への影響
👉 ここが治療方針に関わります。
6. 治療
■ 無症状の場合
✔ 経過観察を選択することもあります
■ 症状がある場合
✔ 外科手術を検討
■ 手術内容
✔ 入り込んだ臓器を戻す
✔ 横隔膜欠損部を閉鎖する
👉 若齢・症状ありでは積極的に検討されることがあります。
【手術する?しない?】
ここは非常に悩まれるポイントです。
■ 手術を考えるケース
✔ 呼吸症状がある
✔ 消化器症状がある
✔ 胆嚢異常を伴う
✔ 臓器圧迫が強い
■ 経過観察になるケース
✔ 高齢
✔ 無症状
✔ 偶発的発見
👉 「見つかった=必ず手術」ではありません。
7. 予後について
予後は、症状の有無と臓器障害の程度によって変わります。
■ 比較的良好なケース
✔ 無症状
✔ 早期手術成功例
■ 注意が必要なケース
✔ 呼吸器圧迫
✔ 胆嚢障害
✔ 他の先天異常合併
8. 当院での考え方
当院では、
✔ 本当に症状の原因になっているか
✔ どの臓器が関与しているか
✔ 手術のメリットがあるか
を整理しながら診療を行います。
大切にしているのは、
👉 「画像所見だけでなく、実際の生活への影響を考えること」です。
9. セカンドオピニオンについて
PPDHは、
✔ 手術するべきか
✔ 経過観察でいいか
で悩まれることが多い疾患です。
当院では、
👉 先天性疾患や外科判断に関するご相談にも対応しています。
10. まとめ
心膜横隔膜ヘルニアは、生まれつき胸とお腹が交通している先天性疾患です。
重要なのは
✔ 症状があるか
✔ どの臓器が入り込んでいるか
✔ 生活に影響しているか
です。
「偶然見つかった異常」の中にも、
👉 将来的に問題になるものがあります。
一方で、
👉 必ずしもすべてが緊急手術になるわけではありません。
当院では、画像・症状・生活の質を総合的に見ながら診療を行っています。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
