犬・猫の皮膚糸状菌症(リングワーム)について―― 子犬・子猫・多頭飼育で特に注意したい皮膚感染症
目次
1. はじめに
✔ 円形に毛が抜けている
✔ フケが増えた
✔ 皮膚がカサカサしている
こうした症状が見られたときに疑うべき病気のひとつが、皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)です。
一般的には「リングワーム」とも呼ばれ、カビ(真菌)による皮膚感染症です。
犬猫だけでなく人にも感染する人獣共通感染症である点が非常に重要です。
この記事では、
✔ 皮膚糸状菌症とは何か
✔ どんな症状が出るのか
✔ どうやって感染するのか
✔ 治療方法
✔ 家庭での注意点
を、飼い主さん向けに分かりやすく解説します。
2. 皮膚糸状菌症とは?
皮膚糸状菌症は、
皮膚・被毛・爪に感染する真菌(カビ)の病気です。
主な原因菌は
Microsporum canis(ミクロスポルム・カニス)
→ 猫で最も多い
Trichophyton 属
Microsporum gypseum
特に猫では M. canis が圧倒的多数を占めます。
3. どんな動物がなりやすい?
■ 子犬・子猫
- 免疫が未熟なため発症しやすい
■ 多頭飼育・保護猫環境
- 感染が広がりやすい
■ 免疫力が落ちている動物
- 高齢
- 持病がある
- ストレスが強い
👉 特に子猫の集団生活では注意が必要です。
4. 主な症状
■ 典型的な症状
✔ 円形〜楕円形の脱毛
✔ ふちが赤い
✔ 皮膚がカサカサ
✔ フケが増える
👉 「丸く毛が抜ける」ことからリングワームと呼ばれます。
■ 猫の特徴
✔ 顔・耳・前足に出やすい
✔ 痒みが少ないことが多い
✔ 無症状キャリアになることもある
👉 見た目が軽症でも、他の猫や人にうつる可能性がある点が重要です。
■ 犬の特徴
✔ 脱毛+軽度の痒み
✔ 膿皮症と併発することもある
■ 人への感染(重要)
皮膚糸状菌症は人にも感染します。
■ 特に感染しやすいのは
✔ 子ども
✔ 高齢者
✔ 免疫力が低い人
■ 人では
✔ 赤い円形の発疹
✔ かゆみ
✔ 頭皮感染(脱毛)
👉 犬猫の皮膚病を見つけたら、素手で触り続けないことが大切です。
■ どうやって感染する?
感染経路は主に3つ
◆ 直接接触
✔ 感染動物に触れる
◆ 間接感染
✔ ベッド
✔ 毛布
✔ ブラシ
✔ キャリーケース
👉 菌は環境中で長期間生存可能です。
◆ 無症状キャリア
👉 見た目に症状がない猫が感染源になることがあります。
5. 診断方法
■ ウッド灯検査
- 一部の菌が蛍光する・・・最も重要な検査
■ 顕微鏡検査
- 被毛を観察
■ 真菌培養検査
- 確定診断に重要
(結果まで1〜2週間)
👉 見た目だけで判断せず、検査が重要です。
6. 治療方法
皮膚糸状菌症は自然に治ることもありますが、感染拡大を防ぐため治療が推奨されます。
■ 外用療法
- 抗真菌シャンプー
- 外用薬
- 軽症例で有効。
■ 内服治療
- イトラコナゾールなど
👉 広範囲・多頭飼育では必須になることが多いです。
■ 環境消毒(非常に重要)
- 次亜塩素酸ナトリウム希釈液で清掃
- 抜け毛の除去
- 布製品の洗濯
👉 治療+環境管理がセットです。
■ 治療期間は?
通常:4〜8週間
- 培養陰性確認まで継続
👉 途中でやめると再発しやすいです。
7. よくある誤解
❌ かゆくないから大丈夫
→ かゆみは少ないことが多い
❌ 1か所だけだから放置
→ 他の部位・他の動物・人へ広がる可能性あり
❌ 自然に治る
→ 広がるリスクを考えると治療が安全
8. 飼い主さんができること
✔ 脱毛を見つけたら早めに受診
✔ 素手で頻繁に触らない
✔ 手洗いの徹底
✔ 多頭飼育では隔離
9. まとめ
犬猫の皮膚糸状菌症は
✔ カビによる皮膚感染症
✔ 子犬・子猫に多い
✔ 人にも感染する
治療+環境管理が重要
という特徴を持つ病気です。
早期発見・適切な治療で、多くはきちんと治ります。
「丸い脱毛」「フケが増えた」と感じたら、早めに動物病院へご相談ください。
ぶんペットクリニックでは、
正確な検査、感染管理、多頭飼育での対策アドバイスまで丁寧にサポートしています。
