猫の高カリウム血症について―― 命に関わることもある電解質異常
目次
1. はじめに
猫の血液検査で「カリウムが高い」と言われたことはありませんか?
高カリウム血症(こうかりうむけっしょう)とは、血液中のカリウム濃度が正常より高くなる状態を指します。
カリウムは体にとって重要なミネラルですが、過剰になると心臓の働きに影響を与え、不整脈や突然死の原因になることもある危険な状態です。
この記事では、
✔ 高カリウム血症とは何か
✔ 猫で起こる主な原因
✔ 症状
✔ 診断と治療
✔ 飼い主さんが注意すべきポイント
を、飼い主さん向けに分かりやすく解説します。
2. カリウムとは?
カリウムは体内で重要な役割を持つ電解質で、主に以下の働きをしています。
✔ 神経の伝達
✔ 筋肉の収縮
✔ 心臓のリズム調整
✔ 細胞の浸透圧調整
血液中のカリウム濃度は厳密にコントロールされており、通常は腎臓から尿として排出されます。
そのため、腎臓の働きや尿の流れに異常があるとカリウムが体内に蓄積し、高カリウム血症が起こります。
3. 猫で高カリウム血症が起こる主な原因
■ 尿道閉塞(最も多い原因)
猫の高カリウム血症で最も多い原因が尿道閉塞です。
尿道閉塞とは、尿道が詰まり尿が出なくなる状態で、特にオス猫で多く見られます。
◆ 原因としては
- 尿石(ストルバイトなど)
- 尿道プラグ
- 膀胱炎による炎症
- 結石
- 尿が出ない状態が続くと、
- 老廃物
- カリウム
が体内に蓄積し、急激に高カリウム血症になります。
👉 数時間〜1日で命に関わることもあります。
■ 急性腎障害
- 腎臓が急に機能しなくなると、カリウムが排泄できなくなります。
◆ 原因例
- 中毒(ユリ中毒など)
- 重度脱水
- 感染症
- 血流障害
■ 慢性腎臓病
- 慢性腎臓病では通常カリウムは低下しやすいですが、
- 進行例では排泄能力の低下により上昇することもあります。
■ 副腎疾患(まれ)
- 副腎ホルモンの異常により電解質バランスが崩れる場合があります。
■ 偽性高カリウム血症
- 採血時の溶血(赤血球破壊)により、検査値が高く見えることがあります。
■ 高カリウム血症の症状
- カリウムが高くなると、主に筋肉や心臓の機能に影響が出ます。
◆ 主な症状
✔ 元気消失
✔ 食欲不振
✔ 嘔吐
✔ 脱力
✔ 歩き方がおかしい
✔ 心拍数低下
✔ 不整脈
✔ ぐったりする
✔ 尿道閉塞の場合は
✔ トイレに何度も行く
✔ 尿が出ない
✔ お腹を触ると痛がる
✔ 鳴く
といった症状も見られます。
4. 危険なサイン
以下がある場合は緊急受診が必要です。
✔ 尿が出ていない
✔ ぐったりしている
✔ 嘔吐が続く
✔ 呼吸が苦しそう
✔ 意識がぼんやり
👉 特にオス猫で尿が出ない場合は緊急事態です。
5. 診断・治療方法
■ 血液検査
- カリウム濃度を測定します。
◆ 通常値
- 約3.5〜5.5 mEq/L
- 重度高カリウム血症では7以上になることもあります。
■ 心電図
- 高カリウム血症では特徴的な心電図変化が現れます。
- 徐脈
- T波増高
- 心停止リスク
■ 画像検査
- レントゲン
- 超音波
- 尿道閉塞や膀胱状態を確認します。
■ 治療
- 治療は原因と重症度によって異なります。
◆ 緊急処置(重度の場合)
- 点滴
- カルシウム製剤
- インスリン+ブドウ糖
- 重炭酸ナトリウム
などを使用し、心臓への影響を防ぎます。
■ 尿道閉塞の解除
- 尿道カテーテルを挿入し、尿の流れを回復させます。
- これによりカリウムは徐々に下がります。
■ 原因治療
- 腎臓治療
- 膀胱炎治療
- 結石管理
6. 予後
早期治療が行われれば回復するケースが多いですが、
✔ 発見が遅れた
✔ 心停止が起こった
場合は命に関わることもあります。
7. 飼い主さんに知っておいてほしいこと
猫の高カリウム血症で最も重要なのは、尿道閉塞を早く見つけることです。
以下の行動に気づいたら注意してください
✔ トイレに何度も行く
✔ 少量しか尿が出ない
✔ トイレで鳴く
✔ 元気が急にない
8. まとめ
猫の高カリウム血症は
✔ 尿道閉塞で起こることが多い
✔ 心臓に影響する危険な状態
✔ 早期治療が命を守る
という特徴があります。
✔ 尿が出ていない
✔ 元気が急にない
と感じたら、すぐに動物病院を受診してください。
岡崎市で猫の排尿トラブルや体調変化が見られた場合は、ぶんペットクリニックへご相談ください。
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