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犬のアジソン病|薬が増える不安を見直したセカンドオピニオン症例

 

薬の量がどんどん増えていくけれど、このままで大丈夫?アジソン病の治療を見直したセカンドオピニオン

 

 

 

 

1. アジソン病の治療を見直したセカンドオピニオン

今回は、このようなお悩みで当院へ

セカンドオピニオンとして

来院されたワンちゃんの事例をご紹介します。

 

なお、

個人や動物が特定されないよう、

経過や数値の一部を変更しています。

 

 

2. 数か月前にアジソン病と診断

このワンちゃんは、

数か月前にアジソン病と診断され、

フロリネフという内服薬で治療を続けていました。

 

体調そのものは比較的安定していましたが、

血液検査ではナトリウムがなかなか

理想的な値まで上がりません。

 

そのたびにフロリネフの量が増え、

受診時には毎日かなりの量を

内服している状態でした。

 

さらに、別の治療方法としてDOCPという

注射薬についても説明を受けていました。

 

ただし、入手方法によっては費用が高く、

長期間続けることを考えると

負担も大きくなります。

 

飼い主さんから最初にいただいたご相談は、

というものでした。

 

しかし、詳しくお話を伺うと、

一番不安に感じていたのは

注射薬の費用そのものでは

ありませんでした。

ということでした。

 

 

3. そもそもアジソン病とは?

アジソン病は、

正式には「副腎皮質機能低下症」と

呼ばれる病気です。

 

腎臓の近くにある「副腎」という小さな臓器からは、

体の状態を保つために重要な

ホルモンが分泌されています。

 

アジソン病では、

そのホルモンが十分に作れなくなることで、

など、さまざまな症状が

みられることがあります。

 

重症化すると、「アジソンクリーゼ」と

呼ばれる緊急状態になることもあります。

 

一方で、必要なホルモンを適切に補うことができれば、

安定して生活していけることも多い病気です。

 

 

4. 飼い主さんが迷っていたこと

今回、飼い主さんが特に迷われていたのは、

でした。

 

薬が増えるたびに、

と不安を感じていました。

 

そして、もし現在の内服薬では十分に

コントロールできないのであれば、

次はDOCPという注射薬を使うことになります。

 

ただ、その治療には継続的な費用もかかります。

つまり、

という状態でした。

 

 

5. 当院でまず確認したこと

今回のセカンドオピニオンでは、

 

これまでの検査結果や治療歴、

現在の体調を確認し、

を一つずつ確認しました。

 

 

アジソン病では、

ナトリウムやカリウムなどの

電解質を適切に保つことがとても大切です。

 

そのため、

ナトリウムが低ければ薬の量を

調整することがあります。

ただし、

というほど単純ではありません。

 

検査値を見るときには、

など、実際の体調と合わせて

判断する必要があります。

 

今回のワンちゃんは、

少なくとも受診時には大きく体調を

崩している状態ではありませんでした。

 

そのため、検査値だけを見て

薬を増やし続けるのではなく、

現在の治療全体を見直すことにしました。

 

アジソン病では、補うホルモンが一つとは限りません

アジソン病では、大きく分けて2種類のホルモンが不足することがあります。

■ 一つは、ナトリウムやカリウムのバランスを調整する「ミネラルコルチコイド」。

■ もう一つは、食欲や元気、血圧、ストレスへの対応などに関わる「グルココルチコイド」です。

フロリネフは、ミネラルコルチコイド作用を持つ薬です。

一方で、症例によってはグルココルチコイドを別に補う必要があります。

 

今回も、

という観点から治療を再検討しました。

 

 

6. セカンドオピニオンで整理できたこと

今回、大きく整理できたのは、

の二択ではないということでした。

 

DOCPは、アジソン病に対する

有効な治療選択肢の一つです。

 

しかし、すべてのワンちゃんが

必ずDOCPへ変更しなければ

ならないわけではありません。

 

現在の内服治療を見直したり、

不足しているホルモンを

に補ったりすることで、

安定した状態を目指せる場合もあります。

 

また、治療の目標についても、

ということが大切だとお話ししました。

 

 

7. その後の選択

今回は、すぐにDOCPへ変更するのではなく、

まず現在のホルモン補充の

バランスを見直すことにしました。

 

これまで使用していた

フロリネフを継続しながら、

グルココルチコイドを補う目的で

プレドニゾロンを追加しました。

 

その後、食欲や元気などの体調を確認しながら、

ナトリウムやカリウムなどの

電解質も定期的に評価していきました。

 

すると、プレドニゾロンを

補充してから体調が改善しました。

これまで「フロリネフが足りないのではないか」

考えて薬の量が増えていましたが、

経過からは、グルココルチコイドの補充が

十分ではなかったことも

体調不良に関係していた

可能性が高いと考えられました。

 

そして、

全身状態が安定したことで、

最終的にはフロリネフを

減量することもできました。

 

飼い主さんが最初に心配されていた、

という問題についても、

結果的には薬を増やし続けるのではなく、

薬の役割を整理することで

治療全体をシンプルにする方向へ

進むことができました。

 

■ 意外にも、皮膚のかゆみも改善

このワンちゃんには、

以前から手足を中心とした

かゆみもありました。

 

これまではアトピー性皮膚炎などを疑い、

サイトポイントや

ステロイドなどによる

治療歴もありました。

 

今回、アジソン病の治療として

プレドニゾロンを適切に補充したところ、

全身状態の改善とともに、

かゆみも以前より減少しました。

 

もちろん、

かゆみにはアレルギーや

感染症などさまざまな原因があり、

と断定することはできません。

 

しかし今回の経過からは、

グルココルチコイドが十分に

補われていなかったことが、

全身状態だけでなく

皮膚症状にも影響していた

可能性が考えられました。

一見すると別々に見える症状でも、

全身のホルモンバランスを

整えることで一緒に改善することがあります。

 

 

8. 診察を通して一方向の考え方から離れられた

今回の診察で一番大きかったのは、

という一方向の考え方から離れられたことでした。

 

アジソン病では、

ミネラルコルチコイドと

グルココルチコイドという、

役割の異なるホルモンを考える必要があります。

 

そのため、

を改めて整理しました。

 

結果として、

プレドニゾロンを適切に補充することで

体調が改善し、最終的にはフロリネフを

減量することができました。

 

DOCPについても、

すぐに導入するのではなく、

内服治療を整理したうえで

必要性を再評価することができました。

 

 

9. この事例からお伝えしたいこと

今回、飼い主さんが最初に抱えていたのは、

という不安でした。

そして、

とも感じていました。

 

しかし、

実際に必要だったのは、

単純に薬を増やしたり、

別の高額な薬に変更したり

することではありませんでした。

 

今使っている薬が何を補っているのか、

別のホルモンが不足していないかを

一度整理することでした。

 

その結果、

という経過につながりました。

 

慢性疾患では、

薬が増えること自体が間違いとは限りません。

 

ただ、

を整理することはとても大切です。

 

セカンドオピニオンは、

前の治療を否定するためのものではありません。

 

治療が複雑になってきたときに、

一度すべてを並べ直し、

本当に必要な治療を考え直すためにも利用できます。

そのような場合も、セカンドオピニオンを考えてよいタイミングです。

 

 

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