犬猫の血尿の原因 ― 見逃してはいけないサインを分かりやすく解説
目次
1. はじめに
✔ トイレのシートが赤くなっている
✔ おしっこに血が混じっている気がする
犬や猫の血尿は、飼い主さんが比較的気づきやすい症状のひとつです。
一方で、
✔ 元気がある
✔ 食欲もある
✔ 痛そうにしていない
という理由から、「様子を見てもいいかな」と判断されてしまうことも少なくありません。
しかし血尿は、軽い膀胱炎から命に関わる病気まで、非常に幅広い原因が隠れている重要なサインです。
この記事では、犬猫の血尿について
✔ 血尿の種類
✔ 主な原因
✔ 犬と猫の違い
✔ 受診の目安
✔ 検査・治療の考え方
を、飼い主さん向けに分かりやすく解説します。
2. 血尿とは?
血尿とは、尿の中に血液が混じる状態を指します。
血尿には以下の2つのタイプがあります。
■ 肉眼的血尿
- 見た目で分かる
- 尿が赤い、ピンク色、茶色
- トイレシートが赤く染まる
👉 飼い主さんが最も気づきやすいタイプ
■ 潜血尿
- 見た目では分からない
- 尿検査で初めて分かる
👉 健康診断や別の検査で偶然見つかることも
3. 血尿が出る仕組み
尿は 腎臓 → 尿管 → 膀胱 → 尿道
という経路を通って排泄されます。
この経路のどこかで
- 炎症
- 出血
- 損傷
- 腫瘍
が起こると、尿に血液が混ざります。
👉 どの部位からの出血かを見極めることが診断の第一歩です。
4. 犬猫の血尿の主な原因
■ 膀胱炎
最も多い原因です。
◆ 犬
- 細菌感染による膀胱炎が多い
- メス犬で多い
- 排尿時の痛み・頻尿を伴うことが多い
◆ 猫
- 細菌性は少なく、特発性膀胱炎(FIC)が多い
- ストレスが大きく関与
- 若齢〜中年の猫で多い
◆ 主な症状
✔ 血尿
✔ 頻尿
✔ トイレに何度も行く
✔ 排尿時に鳴く
■ 尿路結石(膀胱結石・尿道結石・尿管結石)
尿中のミネラルが結晶化し、結石となることで粘膜を傷つけます。
◆ 犬
- ストルバイト
- シュウ酸カルシウム
◆ 猫
- シュウ酸カルシウムが多い
◆ 特徴
✔ 血尿
✔ 排尿痛
✔ 尿が出にくい
✔ 猫では尿管結石が重症化しやすい
👉 特に「血尿+元気がない」は要注意
■ 腫瘍(がん)
特に高齢の犬猫で注意が必要です。
◆ 代表例
- 膀胱腫瘍(移行上皮癌など)
- 腎臓腫瘍
- 前立腺腫瘍(オス犬)
◆ 特徴
✔ 繰り返す血尿
✔ 抗生物質で改善しない
✔ 痛みが目立たないことも多い
👉 「治ったと思ったらまた血尿」を繰り返す場合は要精査
■ 前立腺疾患(オス犬)
未去勢のオス犬で多い原因です。
- 前立腺肥大
- 前立腺炎
- 前立腺腫瘍
◆ 症状
✔ 血尿
✔ 排便時の痛み
✔ 歩き方がおかしい
■ 腎臓の病気
- 腎炎
- 腎結石
- 多発性腎嚢胞
- 腎腫瘍
◆ 腎臓由来の血尿は
✔ 尿が全体的に赤くなる
✔ 元気消失や食欲低下を伴う
ことが多く、全身状態の悪化に注意が必要です。
■ 外傷・事故
- 高いところから落ちた
- 車にぶつかった
- 強くぶつけた
などの後に血尿が出る場合、
👉 内臓損傷の可能性があり緊急性が高いです。
■ 出血傾向・血液の病気
- 血小板減少
- 中毒(殺鼠剤など)
- 重度の感染症
◆ 尿だけでなく
✔ 歯ぐき
✔ 皮膚
✔ 便
など、他の出血も見られることがあります。
5. 犬と猫の血尿の違い
| 項目 | 犬 | 猫 |
|---|---|---|
| 多い原因 | 細菌性膀胱炎 | 特発性膀胱炎 |
| 結石 | 膀胱結石が多い | シュウ酸Ca、尿管結石 |
| 緊急性 | 比較的ゆっくり | 急変しやすい |
| オス特有 | 前立腺疾患 | 尿道閉塞に注意 |
6. すぐに受診すべき血尿のサイン
以下の場合は様子見をせず、早めに受診してください。
✔ 血尿が続いている
✔ 元気・食欲がない
✔ 排尿できていない、尿量が少ない
✔ 嘔吐・発熱を伴う
✔ 高齢の犬猫
✔ 繰り返す血尿
7. 動物病院で行う検査
■ 尿検査
- 血液の有無
- 細菌・結晶
- 尿比重
■ 血液検査
- 腎機能
- 炎症反応
- 出血傾向
■ 画像検査
- レントゲン
- 超音波(エコー)
- CT(必要に応じて)
👉 血尿の原因特定には組み合わせた検査が重要です。
8. 治療の考え方
血尿は「症状」であり、治療は原因に応じて全く異なります。
■ 膀胱炎
- 抗生物質・環境改善
■ 結石
- 食事療法・手術・インターベンション
■ 腫瘍
- 外科・内科・緩和治療
■ ストレス性
- 環境調整
👉 自己判断で薬をやめたり、様子見を続けるのは危険です。
9. まとめ
犬猫の血尿はよくある症状、しかし軽視してはいけない重要な体からのサインです。
原因は
✔ 膀胱炎
✔ 結石
✔ 腫瘍
✔ 腎臓病
✔ 前立腺疾患
など多岐にわたり、
「血尿が出た理由」をきちんと調べることが、命を守る第一歩になります。
岡崎市で
「血尿が出た」「トイレの様子がおかしい」「なんとなく元気がない」
と感じたら、早めに動物病院で検査を受けてください。
ぶんペットクリニックでは、犬猫の血尿について原因精査から治療・再発予防まで、それぞれの状況に合わせた診療を行っています。
